りるのエロゲ備忘録

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金色ラブリッチェ

すっかり月一更新が板についてきまして。

書きたいものはあるんですが、書くならある程度やり直したり画像を拾いに行ったりしたいもので、かといって積みゲーの山も崩したいとも思っているわけです。

そんな中、とりあえずようやく金恋をクリアしたので、予告通り感想をつらつら。

 

◎要素

『学園』『貴族』『ラブコメ』『微シリアス』

少ないようですが、王道ラブコメって感じで、改めて考えると言うほどピックアップする部分もないような。じゃあ薄っぺらい話なのかと言うとそんなことはなくて、話の作りはやたらと凝ってました。何気にサガプラの作品初めてやったんですけど全作こんな感じなんですかね?

とりあえず次ははつゆきさくらとか買ってみたいです。

貴族ものと言うと前につり乙を紹介しましたが、グランドエンド以外はこっちの方が話が軽いし読みやすいです。詳しくはメタ的な話で語ろうと思います。

 

◎キャラクター

・シルヴィア

お転婆タイプのお嬢様。護衛の騎士たちの目を盗んで抜け出しては主人公とお茶会をしたり、仕事をキャンセルしては遊びに行こうとするお茶目さが魅力的な娘です。

一方で音楽の才能に秀でている部分もあり、ピアノでは同年代で10本の指に入るレベルの実力だとか。作中では何度かその実力を披露します。

個人ルートでは主に主人公の抱える問題に彼女が首を突っ込んでくる形になります。まぁシルヴィ側の問題なんて国家ぐるみになるだろうから妥当なところ。

個人的にはその子の√ではその子自身を掘り下げて欲しいのでエルさんルートの方が終わり方的には好きなんですけど、まぁこれはこれで無難だったかなという感じ。それにしても、ソルティレージュのお姫様は恋愛結婚できるらしいです。それが日本に来てるなんて。貞操を捨ててるとしか思えないね。

個人的な話ですが、ほんたにかなえさんの絵柄のぱっつん髪の子いいですよねぇ。ラノベなんかでもしょっちゅう見ますし。判子絵大好き。

 

・妃玲奈

お嬢様学校なのに主人公と同じく庶民で、転校してきた主人公よりも先にこの学園にいたことから、同級生ながら先輩とも言える存在。ギャルというか陽の側の人間で、場の空気を読むのが上手かったり、自分の立ち位置を重要視したりするところがあります。

服飾に関して熱心なところがあり、集中しているうちは、普段気を使っている容姿すら頓着しないほど。こういう娘いいよね~~~。

お話的には、玲奈とは普通に恋愛するだけで、壁を乗り越えたりとか、彼女の過去をほじくり返すとかそういうのはありませんでした。シルヴィの時もそんな感じで割と新鮮でしたが、シナリオ重いのが好きなのであんまり心には残りそうにないです。既に膝枕とパイズリ用スク水しか残ってない。ビジュアルは一番好き。

あとグランドルートの玲奈、謎に主人公への好感度高い気がしてます。良くも悪くも。

 

・エルさん

若くしてシルヴィアを護衛する騎士団の団長を務めている女の子。真面目に護衛業をこなす傍らでフェンシングの技術も世界レベル、学園にも通い勉強もできるという超人ぶり。絶対ショートスリーパー

金髪だしルートあんのかな?と思ってたら普通にありました。この人のスケジュールに恋愛を足してたら数時間の睡眠時間すら消えてしまう。

つり乙の時もちょっと書きましたけど、お嬢様以外と深い関係になるのってどうなんだろう、今回は従者が同性だから主従恋愛という形はないけど微妙なんじゃ……と思ってたらその話も出てきてぼく的には大満足。サブヒロインとはいえ、エルさん√が1番恋人自身の人生に触れたんじゃないかと。そういう意味で、個人ルート4人の中で最も好きなお話でした。

 

・栗生茜

上記3人のうち1人を攻略すると出てくるおまけヒロイン枠。ルート選択でこの子の枠だけが最初シークレットになっていて、最初は「絶対理亜だろ」って思ってたら茜ちんでした。元気系後輩で陸上部。ファイヤーでバーニングな今時だと珍しめな性格で、はじめは女生徒から風当たり強めな主人公に対しても好意的に接してくれる良心。(ヒロインでリョナるならこの子がいい)

彼女の性格通り、ルート通して茜ちんの心の火種を管理してくゲーム。別にプレイヤー側がやることはないですけど。茜ちん側からのラブはルート開始のストップ高から一切動かないので、脳を使わずにしゅきしゅきされたい時にやったらいいと思います。まぁこの子は他ルートでも主人公のこと好きっぽいので、後回しにしたらくどいかも知れませんが……

茜ちんルートも彼女の心理に触れる部分が大きく好きな部類でした。サブヒロインだから短めなのだけが残念なところ。

 

・理亜

全員を攻略後にタイトル画面に現れる「GoldenTime」から行ける、このゲームのグランドルート。各ルートで少しずつ散りばめられた、主人公、理亜、シルヴィなどの幼少期が鮮明に語られ、物語の全貌が明らかになります。

理亜自身は、金髪でタバコを吸い立ち入り禁止の屋上にもずけずけと入っていく不良生徒。そのくせに小柄で、やけに賢しく哲学的、自分の芯となる考え方や価値観を持った変わった子です。

まさか個人ルートないのかと思ったらとんでもないものが待ってました。イメージ的にはアマツツミのほたるみたいな。本編では微妙にヒロインじゃないっぽい立ち位置でものを語るところとか、出番が限定されてるところとか。

彼女については何を話してもネタバレになりそうなので、1度締めた後に既プレイの人向けに語りたいことを書きたいと思います。

 

 

◎メタ的な話

・伏線

なんと言っても話の作り込みがすごいです。まず。伏線管理が完璧で、ほぼ全て回収したんじゃないでしょうか?あとから思い出すと、わかりやすく回想してくれるものから、「あれも伏線かよ!」って思うものがいくつもありました。そして、それをプレイヤー側に気付かせるのがとても上手いんですよね。この手法が一番貢献している部分として、プレイヤーを物語に引き込んでいるところがあげられます。ただ読ませるだけではなく思考させることで、より臨場感を感じさせています。謎解き系じゃないエロゲだと、ここまで伏線を上手く扱っている作品はけっこう珍しいような気がしますね。

 

・総括

この物語は、なんだかんだ言って全ルートに共通した大きなテーマがひとつあって、それは「主人公の成長」です。

どのルートでもED後には主人公のその後が描かれるわけですが、例えばヒロインと結婚したあとの生活だったり、彼が将来の夢としたものに取り組んでいる姿だったりが描写されています。エルさん、茜ちゃんルートではヒロイン自身の葛藤がメインで描かれるため気づきにくいところですが、シルヴィや玲奈ルートでは顕著に表れています。どのルートでも違った未来が展開されていて、まさにこれは主人公が成長するためのボーイミーツガールだったんだなぁと思わされるわけです。

 

◎おわりに

ぼくはこのゲームがサガプラ処女だったんですが、もう満足しすぎてほかのシリーズまで手を出したくなっています。積みゲーが沢山あるので消えてから買いますけど。人を選ばないシナリオと高い完成度でまとまっているこの作品は、今後初心者エロゲーマーにもオススメされていくんじゃないでしょうか。

今月中にもう1本くらいクリアして感想を書きたいと思っている(厳しい)ので、よかったらまた読んでください。

ここまで読んで頂きありがとうございます。こここからは理亜ルートのネタバレを大いに含みますので、既プレイの方、ネタバレを気にしない方のみ読んでください。

 

◎このエロゲが好きな人にオススメのエロゲ

・アマツツミ

・(ほかのサガプラのやって面白かったら教えて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎グランドルートについて

理亜、死にましたね。

ED前まではそれなりに長い時間を主人公と過ごして、子供は出来なくても結婚して、それからゆっくりと死んでいくものだと思っていたんですが、予想よりもずっと早く亡くなりました。ED後のダイジェストで理亜の声に力がなくなっていくのを聞いているのが本当に辛かった。

理亜的には、主人公には形あるものは指輪しか残せなかったけれど、主人公を大きく成長させ、シルヴィを主人公から離れられなくしたという結果を与えられて満足だったのではないかと思います。

 

さて、何故作者は理亜を殺したんでしょうか。ぼくは2つ理由があると思っていて、ひとつは主人公が成長した姿を物語の中で見せたかったから。

葬式後、主人公は玲奈の腕の中で泣いてしまうんですけど、それまで(葬式中)は我慢していたという描写があります。これは付き合う時の理亜の「オレの前ではカッコつけていて」というセリフによるものであり、彼女の生前、主人公は理亜の前ではカッコイイ彼氏でいようと努力します。

その結果というか、彼女が死んだ後、いなくなった後でも、主人公は理亜に対してカッコ悪い所を見せずに葬式を終えることが出来ました。

 

2つ目は理亜という存在をプレイヤーに刻み付けるため。シルヴィ、主人公、理亜は三角関係だった過去があり、現在は二人とも主人公が好きで、主人公は理亜が好き。丸く収めるにはシルヴィが消えるのが良さそうです。シルヴィはノーブル学園を卒業すれば国に帰るでしょうから、それより前に死んだのは、はじめから2人を結婚させたかった理亜としては僥倖と言えるかもしれません。しかし、理亜の気持ちを知っている主人公、シルヴィ、そしてプレイヤーからしてみれば後味の悪い話であり、彼女の存在は長く心に残り続けるでしょう。創作する側の話になりますが、自分の語った話が長く人の心に残るってのはひとつの目的です。メタい話ですがそういう側面もあったのではないかと。

以上が理亜の死に関するぼくの考察です。本当はもう少し感じたことがあったはずなんだけど、プレイ中にメモとろうとしたら吹き飛びました。思い出したら追記します。

劇場版グリザイアファントムトリガー

こんばんは

グリザイアファントムトリガーの映画を見てきたので、原作既プレイ者から見た感想や見どころを書いていきます

キャラ説明などは省くので、公式サイトで確認してください

 

◎グリザイア ファントムトリガーとは

グリザイアの果実から時間が経ち、雄二のような殺し屋を育成する機関となった美浜学園を舞台にしたガンアクションストーリー。

果実~楽園のキャラは出てきませんし、ラブコメ要素はほぼありません。『グリザイア』と名を冠しているものの、別作品と言った方が正しいです。

ゲーム原作では現在vol.5までが発売され、4月にはvol.5.5、6の発売が決定しています。

今やっている映画では、vol.1、2がシナリオとなっており、恐らくは今後続編もアニメ化されていくでしょう。

 

◎映画自体の出来

・作画

申し訳ないんですが劇場版の出来ではない省エネ作画と思いました。特に気になったのは複数キャラが画面内に映った時、トーカの星型ワッペン、戦闘シーンです。

複数キャラが映ると画面が狭くなるのは分かるんですが、劇場版を名乗るなら描きこんでほしかったなーと。まぁ注視しなければ気になるほどではないですし、キャラが判別できないといったこともないのでぼくが気にし過ぎなだけかもしれませんが。

渡辺明夫氏が作画監督をすると、服がとても柔らかそうでその点は好きなんですけど、ワッペンとか形を持ってるものまで崩してしまうとただの手抜きに見えてしまっていたのも残念でした。

あと戦闘シーン。ストーリーは原作の方が端折らずに語ってくれるため、正直これを期待して映画館に足を運びましたが、楽園の雄二vsテュポーンほど動かず、止めのパンチで謎の金色作画になったのもちょっと……という感じでした。森の中での銃撃戦はけっこう熱くなれたんですが、撃ち合いが単調でどっちが優勢なのか分かりづらかったのも残念でした。ただ、バイクチェイスだけは鳥肌が立つほどよかったと思います。銃火器とかバイクとかがカッコイイアニメは男の子ならつい見入ってしまうはず。グリザイアは麻子、天音、レナとバイクに乗る女性が多いですね。

かと言って作画の全てがダメだったかと言うとそうではないです。戦闘面でいえば開幕のは文句のつけようがありませんでしたし(グリザイアの迷宮、楽園一挙のニコ生のタイムシフトで見ることができます)、どちらかと言うとキャラの可愛さに重点を置いた感じだったかなと。episode2の終わりのクリスは可愛さのためだけに動かされてました。そこだけやたら動いたので違和感はあったんですけどね。

あ、背景は果実から見ている人達なら分かりますが美浜学園そのままなんですよ。教室、外壁、雄二たちが生活した寮も登場します。学園長室のソファも確か一緒だったはずです。懐かしさを感じたい人はずっと背景を見てて。

制作したアニメ会社自体が新興のところだったはず(監督の天衝さんが立ち上げたんだったかな)なので、これからの進化に期待しています。

 

・声

なんと言ってもハルトに声がついたことですよ。ゲーム版だと彼は喋らないので少し心配していましたが、雄二役の櫻井孝宏さんほどではないにしろ良かったんじゃないでしょうか。キャラ全員が喋ることでより臨場感が出ていました。叫び声だけちょっと違和感がありましたけど。それ以外は期待通りがっちりとハマってくれた印象です。

他の子はゲームでも喋るので割愛。

 

・曲、OPED映像

なんと言ってもOPがかっけーです!YouTubeにあがってたっけ?あったら見てくれ。黒崎真音さんなくしてグリザイアは始まりません。歌詞と映像のリンクも最高で、幼少期レナとマキのシーンの歌詞は絶対に聞き逃さないで欲しい。なんならOPが全ての見どころだったのでは?というくらい。ちなみにゲームとは別の曲ですね。

EDはなんかナンジョルノらしくないな?と思ったらfripSideではなかったんですね。Elements Garden特有のバイオリン旋律が劇場版感半端なかったです。映像はカット切り貼りとまぁ走ってただけだったので割愛。

ちなみにクレジットで流れるクラウドファンディングにはぼくの名前がありますよ!本名なのでわかる人いないと思うけど……

 

◎メタ的な話

・前作との関連性

ちょこちょこ匂わせるような部分はあります。おそらく意図的だろうなーって程度のところもありますが、まぁそう感じたならそうなんでしょう。

まず学園長、仙石一縷(せんごく いちる)。ゲーム グリザイアの楽園を最後までプレイした方なら分かるでしょう。一縷なんて名前そうそういませんし、シリーズタイトルを同じくしている以上意図的でしょうから、彼女と同一人物でしょう。原作未プレイの方は、果実のほうに『いちる』と似た響きの名前の金髪がいたのと、ファントムトリガー自体のキャッチフレーズが『受け継がれる風見雄二の遺伝子』であることを思い出していただければ何となく察せるかと。

ところでこの『受け継がれる風見雄二の遺伝子』ってやつ、どうにも一縷だけではない気がしているんですけど、どこまでがそうなんでしょうね。楽園にでてきたジミーの嫁、ゾーイ・グラハムと野上教頭もどこか似ているように感じますし(彼女が雄二ともにょもにょするとは考えにくいので、ジミーと子だとは思いますが、でも彼女黒髪なんですよねぇ)。一縷が学園長なんてやっている年齢と考えると、他の人も先生をやってるんですかね?

このあたりから、大体楽園からどれくらい時間が経っているのかが分かりそうです。

地味なところですが、地下狙撃場を管理している山本先生も前作に関連ある人物だと思われます。誰かって言うと楽園で蒔菜に銃を作ったあのボロい製鉄所のおっさん。あの人も山本さんなので、孫かなんかでしょうかね。じゃなきゃ苗字一緒にしないでしょうし、銃に詳しいあたりも怪しめです。

今のところ雄二と血の繋がりがありそうなのは一縷くらいですが、今後どのようにして登場するのか楽しみです。

 

・原作との差

絵が動くこと、ハルトの声を除けば、最も違うと感じたのは効果音ですね。銃声であったりバイクのエンジンを蒸かす音であったり、臨場感のある音が使われていたと思います。

シナリオ自体は、飛ばした箇所も少なく話はわかり易かったのではないなと。尺だけが問題で、有坂先生が出てきたと思ったら誘拐されたり、チョコとバニラが出てきたと思ったら特に描写もなかったのに宇川にやたら懐いてたり。受け入れられる人はいいんですけど、いきなり映画だけ見に行くと「急にどうした?」となりそう。

キャラに愛着を持たせるって結構重要なことなので、そのへんは従来のTVシリーズに劣っている部分です。3ヶ月に渡って放送することでそのキャラにより触れてもらえたり、馴染み深い存在になったりしますからね。

それを90分で表現するのは難しそうですが、チョコとバニラにはもうちょい喋らせてあげてほしかった……

元々vol1と2は同時発売されたものなので、今回一緒にやったのかな?と考えてます。次のトーカの話は是非、彼女に90分あげてほしい。トーカとムラサキをどうかよろしくお願いします。

 

◎まとめ

全体として見たとき、2話構成だったこともあってテンションの波のコントロールが難しそうだなーと思いました。神作画シーンなんかがあれば良かったんですけど、それはのっけから飛ばしたところが全てでしたからね……

果実~楽園アニメに比べるとだいぶ演出の質も落ちていたのでそこが気がかりです。蒔菜や雄二が狙撃した時のスローで銃弾が回転して飛んでいくやつ、あれをやってくれ頼むから。

そのあたりの体力配分が上手くなれば、今後のシリーズには期待できるとぼくは考えてます。これだけディスりましたがファントムトリガー自体は大好きですし、楽しく見させて頂きました。興味があればぜひ。

 

今更ですがエロゲブログじゃなくてすみません!ラブリッチェは絶賛プレイ中なのでもう少し待ってね。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

月に寄りそう乙女の作法

こんばんは、働きながらこの文章を書いています。

今回紹介するのは有名な作品ということで、知っている方も多くいるとは思いますが、改めてぼくなりの切り口で解説していこうと思います。

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つり乙シリーズにはいくつか派生がありますが、今回は無印「月に寄りそう乙女の作法」に限った話をします。

 

またシリーズ作品の追い方については、無印から時系列が繋がっており、大蔵遊星が主人公であるものが「乙女理論とその周辺」シリーズとなっています。

一見正統シリーズに見える月に寄りそう乙女の作法2、2.1、2.2に関しては、無印の主人公とメインヒロインの息子が主人公で、無印からは20年ほど時間が空いていますし、過去の作品で登場したキャラはほとんど出てきません(衣遠兄様の40歳くらいの立ち絵は見られます)。無印キャラが気に入った人、特にりそなが好きな人は乙女理論からやりましょう。

 

◎要素

『服飾』『セレブ』『女装』『学園』『シュールギャグ』『主従関係』

女装は残念ながらヒロインではなく主人公です。主人公に声がついているバージョン、ついていないバージョンがあったはずなので、購入時は要注意。シリーズを買えば前作の主人公をフルボイスにするパッチみたいなのがついてきたはずです。

登場人物がほぼお金持ちなので、会話や立ち振る舞いはそれなりに箔がついています。一般人とは価値観が違い、お金には頓着せず、自分のプライドや立場を重要視した様子が多く見られる部分で彼女らがセレブであることを示唆しています。

その分、プライドや立場が脅かされるシナリオを読んでいる時の胃が痛くなる感覚はおしごと並です。主人公は従者という立場なわけですが、従者の行動も主人の格に傷をつけてしまうんですよね。「〇〇家はこんな分を弁えられないメイドを雇っているのか」、と。

やらかしたのは自分なのに迷惑をこうむるのは他の人っていう図、マジでお腹痛くなります。

しかし、そんなセレブ特有の感性に触れたり、微妙に面白くないギャグがあったりと良い点も沢山あります。

 

◎キャラクター

・桜小路ルナ

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無印はこの人のための作品です。プレイした人はみんな好きになったと思います。

デザインの才能、努力家、お金持ち、性格は曲がっていないし容姿も美しい、と、世の中の持てるもの全てを詰め込んだような完璧才女です。容姿に関しては、それが原因で両親と疎遠になってしまったという過去もありますが、ルナ様は高校生にして自立しているどころか、株で一山当てて今や両親よりも資産が大きいというチートっぷり。

普通お金持ちキャラって、性格が曲がってるか、両親の威を借りてるだけで本人はポンコツか、お金にものを言わせて努力しない人のどれかに分類されがちです(実際お金持ちが沢山出てくるこの作品にもそんなキャラが多い)が、彼女にはそんな一面もありません。一周回って存在そのものが嫌味に見えてくるレベル。

個人ルートについても特に文句を付けるところはなかったと思います。彼女は読者の期待に応えるのがとても上手く、不快な会話は何一つありません。強いて言うならルナ√をやってしまうと他の√が物足りなく感じてしまうので、全キャラプレイするつもりの人は最後に回した方がいいというくらいでしょうか。

ちなみに女装主人公のア〇ルをもにょもにょされちゃうのは彼女のルートだけです。好きな人は最後までやりましょうね。

 

・柳ヶ瀬湊

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主人公の幼馴染。湊の家は他のキャラクターの家に比べるとそんなにお金持ちという訳では無い​──メイドを雇うくらいのお金はあるらしい──ので、感覚がかなり庶民寄り。舞台となるお嬢様学校では他の生徒とかなりズレがあり、どうしても浮いてしまいます。服飾や学問に関しても高い能力を持っている訳ではないので、クラスメイト的には「落ちこぼれの貧乏人」くらいのポジションだと思われます。活発なのが取り柄なのですが、おしとやかな雰囲気の学園ではそれすらも仇となってしまうこともあります。

そんな彼女ですが、庶民派故の可愛さやお転婆は他の√では見られないものとなっています。シナリオは良くも悪くも庶民的で、色々と理由付けが弱いなーと思う部分もあるのですが、普通の人の恋愛ってそんなもんじゃないですかね。勘違いとか、偶然とか。他の子達から浮かせたかったという雰囲気を感じました。

 

・ユルシュール

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スイス人でありながら、ファッションの学校であるフィリア学院のことを聞きつけてわざわざ海を渡ってきた服飾ガチ勢。ライバル視しているルナが入学すると知ってくっついてきた……みたいな話があった気もする。とにかくやたらと勝負したがる決闘者気質。このゲームをやっていると、貴族の会話には勝敗があるなー、と感じることがあるのですが、彼女についてはその傾向がかなり強いです。また、日本語を教わる際にルナや従者に悪ふざけされ、度々言い間違いや怪しい言葉選びをしてしまうことがあり、ポンコツツンデレポジションであると言えます。

個人√では……あまり覚えていないのですが、彼女には裏表がないので共通とほぼ同じようなテンションで進んで行ったと思います。恋愛モノではなく物語として考えると、ルナ√よりもこちらの方が王道のイメージ。ルナという最強のライバルに、その従者に助けられながら立ち向かっていく。ジャンプ漫画とかでありそうです。

ルナ√以外の全てに言えることですが、ユルシュール√では特にルナ様を裏切ってる感覚がすごいです。どの√でも主人公はルナのメイドであるという立場は変わらないわけで、その上でライバルたるユルシュールと恋愛していくのは、個人的には背徳感より違和感を感じてしまいました。

 

・花ノ宮瑞穂

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和風屋敷に住んでるタイプの貴族。華道や茶道などの日本的文化に幼い頃から触れ、また芸術的素養も高く、特に着物などの日本的衣装のデザイン技術は将来を約束されているほど。普段は凛としている人だが、トラウマにより男性が苦手で、触れたり目に入る程度でも嫌悪するほど。そんな事情で女子校でありデザインの学校でもあるフィリアに入学。

……この設定と主人公が女装して学園に入学する事実を考えれば、大体彼女の個人√内容が察せると思います。

それどころか他√でも、主人公の女装がバレると勝手に病んでみたりこの子のせいでルナたちのグループに近づけなかったりと、わりとヘイトを買う立場にいます。

まぁ陰湿で根深い闇を抱えているあたりは日本人らしいのではないでしょうか。

個人√の見所は衣遠兄様。

 

〇メタ的な話

・シナリオ総括

地の文がわりと全てを語ってくれるため、ぼくから取り立てて書くようなこともありません。強いて言うならシナリオスキップの形式が割と斬新で、スキップ状態で場面や章が切り替わると、「この章をスキップしますか?」という画面が出てきて、章ひとつを丸々飛ばしてしまうことができるので、分岐でセーブを忘れてしまっても比較的快適に進めることができます。

無印から続編へは、

無印BAD→乙女理論とその周辺

無印ルナ√→月に寄りそう乙女の作法2

というふうに続きます。エロゲだからやれるマルチシナリオですが、将来をより未来まで描いているという点で、正史はルナ√になるんですかね?タイトルもそのままですし。

あとは時系列を扱うのが上手いと感じました。主人公の過去パートに始まり、各キャラクターに奥行が見え、立場が見え、行動に説得力が増しています。過去がたくさんの伏線やフラグを孕んでいて、シリーズ化したのも納得ですし、そちらでも多くのキャラの過去や未来が描かれていて、つり乙ワールドは収まるところを知りません。一見サブキャラの八千代さんの過去とかもガッツリでてきますからね。

 

 

・服飾というテーマ

受け身にシナリオを読んでいると流してしまいがちですが、なんでこのテーマを選んだんでしょうか。

貴族の嗜みと言えばピアノやバイオリンなどの音楽関係、絵画や華道なんかの芸術関係がイメージとして根付いていると思います。まして服作りはぼくの中ではどちらかと言うと庶民的なイメージに近いです。小説家とか漫画家とかと方向性は同じ気がしてます。切ったり縫ったり、実働的な部分が多いからかもしれません。完成品は美しくても、至る過程は全く美しくないですし。

このゲームではメインのデザインを花形として扱う場面がありますが、実際パリコレなんかに出てくる衣装って貴族がデザインしてたりするんですかね?

また、この学校を卒業したという事実自体に価値を見いだしていた人たちがいたのも疑問でした。例えば、フィリアにはメイドを付き従えて授業を受けることが出来る規則があるのですが、勉強はメイドに任せ、自分は学ぼうとしない生徒もいたようです。服飾だとかのセンスを磨く勉強って、自分が出来ないと意味ないでしょう。

まぁその一部生徒は置いておくとして、なぜお金持ちが挙って服なんか作ってたんだろうなーと、ぼくがプレイしていて唯一出てきた疑問でした。

主要キャラにはそれぞれに理由があるんですけど、他のモブたちはなんだったのかなーと。

つり乙2の頃には、フィリアの学部が拡大し、音楽学部や料理学部なんかも出来ていますので、あくまで芸術のかたちのひとつとして捉えられていただけなのかもしれません。

 

◎終わりに

ちょこちょことシリーズについて言及してきましたが、正直無印はその中でも群を抜いた出来と断言できます。

注意をあげるなら、シリーズに手をつけた時にメインの目標が全シリーズ通して「コレクションで賞を取る」からほぼぶれないので、そこに飽きが来る人もいたり、シナリオの長さから「なんか同じような文読んだ気がする」と冷めてしまうことがあるかもしれませんが、小説を読める人なら大丈夫だと思いますし、むしろアプローチや言葉遊びを楽しめると思います。

 

いつもよりちょっと長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。更新頻度が低いのは仕事のせいです。たすけて。

落ち着いたら乙女理論については書きたいと思っています。恐らくつり乙史上最も痛快です。

 

◎この作品が好きな人にオススメの作品

とりあえずシリーズをやってくれ。

(・未プレイなのですが、「俺たちに翼はない」をプレイするといいそうです)

 

次回予定↓

金色ラブリッチェ(現在プレイ中)

 

水葬銀貨のイストリア

ギャンブルって楽しいですよね。

負けた時のリスクを飲み下し、勝つために思索を巡らせる。或いは運を天に任せて脳天気な顔でカードを捲る。

勝っても負けても辞められない、蟻地獄のようなゲームとも言えます。

今回はそんなギャンブルを中心に据えたエロゲの話です。

 

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要素

『学園』『ギャンブル』『家族』『死生観』『トラウマ』『献身』

かなりシリアス要素の強いシナリオです。もしかしたらプレイ中1度も笑うことが出来ないかも知れません。が、その分カタルシスを味わうことが出来、シナリオを終えた時の気持ちよさ、開放感は随一です。

苦手な方はアホが出てくるゲームを挟みましょう。

 

キャラクター

公式ページに書いてある以上のことを書くのは野暮だと思い、今回は何も書かないことにしました。

みんな可愛いですが個人ルートは最低限の出来でしかないので、彼女らの思惑を知る機会として捉えた方が良さそうです。

ふわふわとした立ち位置のキャラが多いですが、語られるまでは詮索する必要はありません。

 

メタ的な話

茅ヶ崎英士

主人公です。公式のキャラ紹介に何故か居ないのでぼくが書きます。

彼はとても平凡な人間です。どれくらい平凡かと言うと公式に紹介を書く必要がないくらい。理想だけが高く、能力がそれに追いつけず、気だるい諦観を感じながらその惰性に流されているような普通の人間です。

後出しつよつよ設定や急な覚醒もありません。シリアスパートだけ頭が良くなったりもしませんし、まるで将棋だなとか言ったりもしません。

しかし、彼の抱える問題や境遇は分不相応なものでした。このゲームの根幹というかシナリオのテーマとして、本当に平凡な人を主人公に据えて、特異な環境に放り込むとどうなるのか?というものがあるように感じました。

平凡平凡と言いつつ、いざ異世界に飛んだら適応してみたり、実は裏で……みたいな設定に飽き飽きしているオタクが多い中、革新的なテーマを放り込んできたなと思いました。

 

ここまで読んで、体験版だけやった人は「いや、英士君普通にギャンブル強いじゃん」と思う人もいますかね。

しかし彼の強さはあくまで知識量、経験の差によるものであり、彼自身が神に愛されているとか、そういうわけではないんですよね。

例えばポケモンで、ストーリーだけプレイして相性を覚えたばかりの人と対戦して負ける気がしますか?

彼の強みは「得ようと思えば誰でも得ることが出来、活用出来る程度の知識」しかありません。

ですから、場数をこなした歴戦の猛者、本当の強者には到底適うはずがないんです。もこうが3値を知っているからと言って夢咲楓には勝てないってことです。

そして彼は平凡な人間なので、全てを救おうとはしますが、現実に全てを救えるヒーローではありません。

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ぜひ、このゲーム最初の選択肢に絶望してください。

 

そして、『ギャンブル』です。

いくら強者が強者たりえても、聖なる炎やリフストを外していたら強者であることを発揮できない。アイへで怯んだら何も出来ないのはみんな同じです。

『ギャンブル』に関して言えばもっと確率は高い。ルールと役を知っていれば、勝てる可能性は誰にでもありますし。

逆に言えば、絶対に負けられない勝負所で呆気なく事故ってしまう可能性もあるわけで、それってごくごく平凡なことですよね。

また、『ギャンブル』をテーマにした物語では、主人公は最後には知略か豪運のどちらかで勝利を勝ち取るのがハッピーエンドへの絶対条件ですが、これは漫画ではなく、マルチストーリー展開のエロゲです。

 

彼は勝てるのか、負けるのか?

シナリオでは大事なポイントとなってきます。彼が凡人であることを念頭に、可能ならば彼自身に没入するつもりでスリルを感じて欲しいです。

 

シナリオ総括

知り合いを繋げていけば世界中の人にたどり着きうると言いますが、このゲームのキャラクターたちは狭い人工島、アメマドイにすし詰めになっています。だからこそと言うか、人間同士のつながりは強く、その関係は友好だけではありません。

悪意があれば、どこかに被害が生まれる。それをどうにかしようと献身する善意もある。このゲームはその複雑な絡み合いで出来上がっています。

しかし、登場人物の中に明確な悪は1人しかいません。正義の反対はまた別の正義だと言うように、善意も時にはぶつかり合うものであり、自らの行いに正しさを見出しているからこそ善意であるとも言えます。そういう人は正しいという隠れ蓑を被っているがために前が見えず、あとに引けません。先が見えず不確定な、自分だけを信じるしかない​───ギャンブルに通じるものがある気がしますね。

 

過去を語られない少女

この物語では、ほぼ全てのキャラクターの過去が語られます。

その人の本質や成り立ちを深く知るためには過去を知ることが1番効率的で有効です。それもあって、キャラクターたちを印象的に感じる人も多いと思います。歪められた人、挫折した人、何かを志した人。そしてそれらはもう変えることができません。刺青のように一生剥がれることはなく、折り合いをつけて付き合っていかなけらばならない。そしてそれらといつか向き合う時が来るかもしれません。

そして、過去が見えた人の言動には一貫性というか、その人にとっての合理性が見えてくるはずです。

しかし、そんな登場人物の中で1人、全く過去を語られないミステリアスな少女がいます。

当然その人の言葉や行動には合理性が見られません。

じゃあ彼女は一体どういう目的で物語に関わっていたのか?

それはtrueの1番最後にわかるのですが、ぼくは彼女は「読者」であったのではないかなと思っています。

彼女が「読者」でなかったら、この物語は生まれていなかったでしょう。

少なくともぼくは、潜在的に彼女と同じ考えを持って物語に触れているのだと思います。

ぜひ最後までプレイしてみてください。

 

最後に

今回はなんとなくふわっとした解説になってしまいました。

理由としては、言及しない方がいいかな、と思う部分については触れることもしていないからです。書いてしまうと面白くない部分は、自分の目で確かみてくれ。

文字がいっぱいで読みにくかったかもしれません。最後に僕がこのゲームで1番可愛いと思うCGを貼って終わりにします。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

この作品が好きな人にオススメの作品

G線上の魔王

・シークレットゲーム

時計仕掛けのレイライン

 

次回予定↓

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グリザイアの果実

こんにちは。

 

今回はグリザイアの果実、及びシリーズである迷宮楽園について書きます。

初記事で3作も詰め込んで大丈夫か?と思いますが、シナリオが地続きであること、主にキャラクターに焦点を当てていきたいこともあり、まとめることにしました。

人気作ということでプレイした方も多いとは思います。プレイ済みの人は思い出話に付き合うつもりで読んでいただければ。

 

要素

『学園』『共同生活』『軍事』『ハーレム』『コメディ』『微グロ』と言ったところでしょうか。

ぼくがこの作品で気に入っているのは『軍事』です。『微グロ』だと思いました?それも好きですけど。

銃やら兵器やらについて、しちめんどくさい解説や聞きたくもないうんちくがだらだら……というわけではないです。

なんて言うか、外国の映画やゲームで、「アメリカンジョークってイカしてるなー」って思ったことありませんか?

そういった言い回しや軍隊特有のブラックジョークみたいな台詞が随所に使われていてすごく面白いんですよね。

実際に訓練風景なんかも出てきますが、教官が「ゴミムシ共」とか言うの最高にそれっぽくて好き。

もちろん銃戦闘もありますよ!

 

キャラクター

・周防天音

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みんなのお姉ちゃん。おっぱいがでかい。料理ができたりほかの生徒の面倒を見たりと母親のようでもある。

そしてえっち。とにかくえっち。

主人公(当然男)に着替えを見られても、

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余裕のこの表情。たまにこういう貞操観念分かってないのかなってキャラいますけど、天音の場合は分かっててやっているビッチ気質。共通にこれを持ってこられて天音から抱くことに決めたオタクも多いのでは。

???「周防天音は淫乱だ~♪」

 

個人ルートでも彼女はえろえろです。持ち前の性欲と天性のマゾヒスティックで様々なシチュエーションが楽しめます。

 

もちろんHシーンだけではないです。天音ルートは絶対にbadとtrue両方やってください。ぼくは彼女のbadを見て初めてエロゲで泣きました。彼女の健気さと強い愛に必ず心を動かされるはずです。

そして天音ルートを語る上で外せないのが、エンジェリックハゥル。

アニメの方がエグかったので先に見た方は安心してください。未視聴の方はゲーム→アニメの順をおすすめします。

 

・入巣蒔菜

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みんなの娘。見た目以上に精神年齢が幼く、エロゲに出てて大丈夫か?と思わされる。多感で周りから言葉や振る舞いを吸収して真似る習性がある。

個人的にこの子が一番好きです。ロリだからじゃないよ。

先述した軍隊ブラックジョーク、主にこの子が言うんですよね。たみやすボイスで。

もう喋ってるだけでかわいい。一生喋っててほしい。

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ロリ特有のノーブラ、すき。

 

蒔菜ルートでは、プレイヤーの視点が蒔菜を育てる親のようになります。果実~楽園は彼女の成長を描いた物語でもあるので、時々クリックの手を止め、初めて出会った時とその時の蒔菜を頭の中で比べてみると微笑ましい気持ちになれます。

蒔菜badは人によっては心を抉られるので気をつけて。ぼくはああいうのも好きです。

 

・小峰幸

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みんなのメイド。そのスペックは無限大で、頼まれごとは『どんな手段を使っても必ず』完遂する。

蒔菜と仲が良く、みちるや天音にはよく掃除やお使いなどを頼まれる。

こう聞くとお堅いロボットのような印象を受けますが、ユーモアを解す可愛らしいところもあり、いくつかの迷言も残しています。

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彼女の潜在能力は本当に謎。

 

幸は「自分」というものがない点でぼくと似ていたので、かなり緊張しながらストーリーを進めて行った覚えがあります。彼女はそのスペックの割に精神的には等身大なところがあり、そのギャップが魅力的です。また、他ルートに比べて他のキャラとの友情要素が強いルートでもあります。

特にゲーム的特典がある訳では無いですが、シナリオをしっかり読んでいる裏付けとして初見trueを目指してみてほしいです。

 

・松嶋みちる

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水橋かおり、金髪ツインテ、つり目と絵に書いたようなツンデレ。個人的にミズハスは祝福のカンパネラのミネットみたいなキャラのほうがすきなんですけど少数派なんですかね?知ってる人いるのかな……

みちるは好みが大きくわかれると思います。過剰にバカなのでぼくもはじめは苦手でした。

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ですが彼女はバカなりに、好きなことはもっと沢山したいという意思表示が強く、ツンデレなのも相まって分かりやすかったりやれやれ付き合ってやるかと思わされてしまうんですよね。

5人の中では1番現実の彼女に近しいキャラクターなのではないでしょうか。めんどくさいところとか。

EDが彼女のイメージにぴったりの神曲なので、ぜひプレイして聞いて欲しいです。

 

・榊由美子

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画像に悪意はありません。

なぜか思い出がない。OPではメインヒロインか?ってほどの出方をするし明らかに聡い人間のはずなのに、個人ルートでは主人公のお荷物をやっている屑。

個人的にはクールキャラにポンコツ要素付けるのが苦手です。好きな人いたらごめんね。

 

・その他サブキャラ

全体的に個性が強いです。グリザイアには所謂「ドラえもん」がいない(※作品には大抵の無茶を実現できるドラえもんのようなキャラがいると展開しやすい)ぶん、色々なサブキャラがその役割を分担しているところがあります。

また、色々な先生が出てきます。彼らの言葉が主人公に大きく影響を与え、人格形成に影響していることがよく分かります。物語を通してその教えに触れることにより、現実離れした主人公に共感出来たり、理解出来る部分が多いです。

ただメインヒロインたちのインパクトが強いことから、ほかのゲームのサブキャラほど「攻略してぇ……」ってなることはない気がしますね。大体のキャラにHシーンひとつくらいは用意されていますのでそれで満足しましょう。ぼくは蒔菜の母親で10回くらい抜きました。

 

 

メタ的な話

・シナリオ総括

果実、迷宮、楽園を通じての命題として、登場人物たちが生きる意味を見つけ出す話ということが言えます。

生きる意味。答えに終わりがなく、ぼく自身が「こう!」と明確に言える回答がありません。多分明確に持っている人の方が少ないはずです。書く側として言えば、プレイする人間に彼女らそれぞれの生きる意味を見せ、納得させるのには相当の労力が必要になると思います。

それを綺麗にまとめ、納得させてくれるグリザイアのシナリオは完成度が高いです。

特に楽園では、生きる意味を見失った主人公をヒロインみんなが命懸けで救う大立ち回りが見られます。王道だけどアツい展開ですよね。

 

・風見一姫

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主人公の実姉にして天才。学問、運動、芸術全てにおいて同年代のトップクラスを行き、それでいて成熟した大人以上に聡く、観察眼に優れ、脳内で哲学をやっているとしか思えない達観ぶりを披露してくれます。

……キャラクター欄と間違えたわけではないです。特別に語りたいことがあったのでこの位置にしました。

彼女には神の視点が与えられています。もちろん本当に神と言える立場なのは作者であり読者であるので、作中に登場できる現人神のようなものでしょうか。彼女には答えが分かっているので、自らは常に最善手を選びとることが出来るのですが、作者や選択肢を選ぶ読者のように他の登場人物を直接操ることは出来ないという面白い立ち位置になっています。

この手の天才キャラの描き方でよく使われるのが、「周りの知能を下げて実質的に頭がいいように見せる」っていう方法なんですけど、一姫の天才性は、未来予知のように先を見通し、実際にその結果が正しいことにより『風見一姫の言葉』そのものに説得力を持たせ、彼女が天才であることを裏付けていくわけです。

この描き方が面白いなーと思ったので、一姫の言葉には特に注目して欲しいです。

 

最後に

今回は果実~楽園の区別なく、全編通して意識してみて欲しいポイントを長々と語ってきましたが、グリザイアシリーズは他にもあります。2011年に果実が発売されたにも関わらず現行で展開されているプロジェクトもあります。別の記事で詳しく書くつもりですが、グリザイア本編が気に入ったら是非追ってみてほしいです。

「ゲームは高いからなぁ」って人がいたら、アニメでも十分楽しめると思います。むしろ未プレイの人はアニメから入ることを強くオススメします。(エンジェリックハゥルを除く)

 

初めてこういった記事を書きましたが、文量はどうだったでしょうか。短い方がいいということであれば、次回からはまとめる努力をします。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

この作品が好きな人におすすめの作品

・BALDR SKY

・車輪の国シリーズ

・景の海のアペイリア

 

次回予定↓

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はじめに

はじめまして、りぃると申します

 

このブログでは、主にプレイしたエロゲの感想やこれから作品に触れる人の参考になるような内容を書いていくつもりです

自分の備忘録にもするつもりなので、本編のネタバレが含まれると思います(特に重要な部分には注意書きをするつもりですが、購入する意味がなくなるようなレベルのネタバレは書きません)

新作を即日プレイしてすぐにここに感想書くようなこともないと思います

 

拙い文字ですが、少しでもゲームの良さを伝えられたらと思います

よろしくお願いします

↓次回予定

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